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空港】 2007.11.01

以前は、家の近所や、公園内を30分くらい歩いてくれたのですが、今は、嫌なものは嫌、食べたくないものは食べない、歩きたくないから歩かないと、自分の意見を主張するようになりました。妹は言葉でのコミュニケーションははかれないので、周囲の人が驚くほどの大声を出し、誰が見ても嫌がっているのが分かるように体全体で拒否をします。

自分の意見があるのは良いことだし、なるべくだったら、妹のやりたいようにやらせてあげたいとは思います。でも、どう考えても運動不足なので、機嫌の良い時を見計らって、歩くことを試みるのですが、いつも失敗に終わります。歩いている時に、てんかんの発作が起きたらどうしよう・・という不安も、少なからずあるので、あまり無理強いをすることもなくなり、今では本当に歩かなくなってしまいました。

唯一歩くのが、空港の駐車場からトイレまでの通路なので、たまにドライブがてら行くことがあります。てんかん発作を起こす確率が限りなく低く、なおかつ、最終の飛行機が飛び立ち、もう少しで空港が閉まるという、人のいない時間帯を狙って行くのです。

例えば、スーパーなどでトイレに寄る時などは、運悪く、トイレ掃除をしていたりすると、掃除用具の雑巾を気にするのです。そこで、イタズラができないように、両側から腕を取り、妹の両手を塞いでしまいます。

運良く雑巾がなかったとしても、妹が何を気にして、手に取り、どこに投げつけるかも分からないので、妹をトイレに連れて行き、車に戻るまでというのは、一瞬たりとも気が抜けません。空港の通路は、そういったものが、何一つないので、私たち家族も、安心して、歩かせることができるし、何より、誰にも邪魔されず、自由に歩くことが出来ることを、妹はとても嬉しく感じているようでした。

妹が喜ぶならと、片道2時間近くかかる中、強い雨が降っていた日に、空港に行ったことがありました。駐車場から、入口までは雨に濡れるけど、その後は、いつものようにニコニコと歩いてくれるとばかり思っていた私たちに、予想外の出来事が起こりました。

横なぐりの強い雨のせいで、雨漏りしていたため、窓に雑巾が置かれていたのです。1枚2枚の話じゃなく、その通路のいたるところに置かれていました。トイレに行く時は、ちょっと気にしていたけど、雑巾を隠すように立ち、「気にしないで行こう!」と言ったら、渋々ながらも通り過ぎてくれたのですが、問題は帰り道でした。

他にも駐車場に戻る方法はあるけど、びしょ濡れになるのは必至でしたし、それ以前に、妹はいつもと同じ場所しか通ろうとしません。駐車場に戻るには、その通路を通るしかありませんでした。

妹は、全部の雑巾を手に持とうとしましたが、あまりの数にそれは断念し、2枚ほど持った後も、それをどこに投げるか、迷っているようでした。普段、何もない場所というのは、雑巾を投げたとしても、妹的にしっくりこないらしく、一度投げても納得できず、大きな声を出しながら、何度か拾って投げ直すということをしていました。

軽いパニック状態になり、何をどうしても気がおさまらないようで、なだめようと声をかけても、まったく耳に入っていないようでした。車に戻っても、大声を出して、体を座席にぶつけるようにして暴れ、それだけではおさまらず、運転している私の肩を叩きました。機嫌の良い時に叩かれるのは、本人的には愛想を振りまいているのだと思いますが、今回のは本当にイライラしてどうしたらいいのか分からないといった様子でした。

せっかく、妹の喜ぶ顔が見たくて行ったのに、こんなことになるくらいなら、行かなければ良かったと本当に後悔しました。それ以来、雨が降った日だけでなく、その後、数日間は絶対に行かないようにしようと心に決めたのでした。

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