【頭蓋骨骨折】 2007.05.16
丈夫な妹ですが、一度、ICUに入ったことがあります。もう10年以上前の話です。
原因は、「頭蓋骨骨折」。
仕事中にその知らせを受けた時は、思考回路が完全に止まりました。母も施設から、「頭蓋骨骨折で入院しました」と言われただけで、詳しいことは聞いてないということで、必死に平静を装っているようでした。
母の神妙な声が、事の重大さを物語っているようで、仕事をしてても頭から離れませんでした。忙しい時期で、残業中でしたが、気が気じゃなく、上司に理由を話して、急いで仕事を切り上げ、病院に向かいました。
初めて行く病院で、名前は聞いたことがあるけど、どこにあるかも定かじゃないので、母との電話で場所を聞きました。何とか辿り着きましたが、その道中はほとんど記憶がありません。悪いことばかりが頭をよぎり、今にも泣きそうな思いで、必死に運転していたことだけは覚えています。
数日前、仕事で、妹の施設を通りかかった時、偶然、妹たちを乗せた施設のバスを見ることができ、一番後ろの席に座っている妹の後頭部を見たのです。その場所を通りかかったのは、今まで何度もあったのに、バスと遭遇したのはその時が最初で最後でした。
当時、妹は入所施設に入っていて、GWやお盆、お正月などの連休にしか会えなかったので、そんな少しの偶然も嬉しかったものです。数日後、その嬉しかった出来事さえも、神様が最後に妹の姿を見せてくれたのかも・・などと考えてしまう原因になるなんて、その時は思いもしませんでした。
電話を受けてから、病院に行って真実を聞くまでの、約30分間は、とてつもなく長く感じられました。早く妹の顔を見たい反面、真実を知るのが怖くて怖くてたまりませんでした。
病院に着くと、母はもう面会を済ませていました。「大丈夫なの?」と聞くと、「大丈夫」という返事が返って来て、とりあえずホッとしました。「とにかく顔を見てきたら。2人同時に入ることはできないから」と言われ、白衣を着て、手袋をし、消毒をして、ICUに入るように促されました。
ICUに入るなんて、初めての経験でした。
おそるおそる中に入って行くと、ベッドに縛られた状態の妹が、満面の笑みを浮かべていました。家に帰る時期でもないのに、次から次へと家族が会いに来てくれるのが嬉しいという様子でした。
拍子抜けしてしまいました。と同時に、妹の笑顔をまた見ることができたことが本当に本当に嬉しくて、涙が溢れて来ました。
事情を聞くと、周りに誰もいない時に、てんかんの発作を起こし、後ろに引っくり返ったところ、そこが運悪く、コンクリートで、頭蓋骨にヒビが入ってしまったらしいです。
念のため、ICUに入れられ、そのままだと安静にしていないので、「ICUで縛られた状態で満面の笑みを浮かべる妹」と対面することになったわけです。本人はいたって元気で、周りの心配をよそに、プリンをペロッと食べたというのを聞き、心の底から安心したのを、今でも鮮明に覚えています。
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